いい夜だった
南平台のコアでレアなbarで開かれている吉村さんのロンドンの写真を見たあと
バスの時間を読み違えたので、これも旅かと歩いて帰ることにした。
昼間にクッキーと散歩に来る道をカメラの絞りを開放にして歩く。
見慣れた街の見なれない暗がりを坂を下り
思い立って久しぶりに30年来のbarに立ち寄った。
カウンター端から2番目。隣のお客も帰りしばらく空席。
そろそろ帰ろうかと思っていたら、勤めをやめて初めての個展、
僕のA全の写真を気に入って買っていただいた人が隣に座った。
なんという夜
明日からタイとベトナムに一月半、30年ぶりに旅に出るという。
僕も同じ時期にハノイに行こうと思っていたところ。
その人とは、じつは、間接的に30年以上、縁がある。
僕はわかっていたけど、彼がそれを知ったのは今晩が初めて。
なんという夜
80年代のある文化を作った人。
ゆかりのある人たちの話を僕は語る。彼は僕の存在をそんなに知らなかったけど
あの写真はとても好きで、色っぽかったと言ってくれた。
同じ時代をすごしたマスターと乱暴で愛のある話をしながら
何も引きずらす「彼の分も一緒にね」と店を後にした。
「過去は物語。昨日と今日を過ごせば明日は勝手に来る。」
かっこいいオトナはまだ居る。人生はわるくない。