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AFTER FULL BLOOM

あとの祭り

桜が満開を過ぎた。花見客でごった返していた近所の目黒川も日常に戻りつつある。雑踏を整理する警備員が吹き鳴らす、鼓膜が破れそうな警笛も聞こえなくなった。桜の木は薄ピンクの中に若草色の葉が見え始めた。TVでは、満開の桜が散るように森友問題がすっと消え、その裏で怪しげなことが着々とすすんでいる。満開の桜に我を失って浮き足だっている間に。平常がもはや異常だということも見失いながら、いったいこの浮かれようはなんなのだろう。後の祭り。小さいころ「自分は頭がおかしいんじゃないか」「いや、本当に頭のおかしい人は自分のことをおかしいと思わないだろう。だから僕の頭はおかしくない」と自分を納得させていたことを思い出した。それも近頃、自信がない。桜の寿命は60年らしい。あと数年。桜のもつ狂気の美しさに呑み込まれずに、楚々と心ゆたかに暮らす野の草になりたいものだ。あとの祭りになる予感を抱きながら。

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